緑の仕事研究所(有限会社赤木庭園)

  • 緑の仕事研究所(有限会社赤木庭園)インスタグラム
  • 緑の仕事研究所(有限会社赤木庭園)フェイスブック facebook
  • - NEW -

    『“森のめぐみ”というものを発信する場所に』

     有限会社大東荘

    代表取締役 大東 雄彦さん

     

      西宮の市街地から至近距離にありながら、手つかずの豊かな自然が残る湯元町。先代からの広大な敷地4000坪をこれからどのように整備して次世代にどんな形で残して伝えていくか、その活用へと動き出した大東さんを訪ねた。

    ここをどういう場所に?

      鷲林寺という六甲山の南で残された市街化調整区域で都市計画法の規制が厳しいなか、もともと、ここは行政からいうと旅館業。旅館業というのは飲食ができるんです。しかし、それしかできない土地なんですね。建物もそれ用にしかできない。そんななかで息子がやりたい自然志向の農業は養蜂と果樹。うちの養蜂というのは薬を一切使わないで、蜂が一番いい形で巣にため終わったものをていねいに取る、本当に質が高いものができたんですが、量はとれないんですね。ここに来た人が飲食とか、物を買う、それに対する供給力があるかというと、そこまでうちにはないと思うんです。ここに来て、自然の中で過ごすことに価値を感じてもらえるような空間づくりをするというのが基本なんです。

      元は“湯元展望台”で、樹木がのびのびちと育ちました。この樹木を生かそうと思っています。ただし、この土地そのものが持っている魅力を磨き上げないとにせものになってしまう。本当に樹形のいいクスノキとここの花崗岩、これを組み合わせて小さな建物は農業6次化店舗として「工房+直販所+木かげカフェ」みたいなものをと考えています。

    そして、犬を連れて来れる店。すでにいくつかおしゃれな店もあるんですが、数が少なすぎるのが現状。人間にとって高齢化、少子化の中で大多数の人にとって犬は大切なパートナーなんですね。その犬といっしょにゆっくりできる場所はひじょうに強いニーズがあると考えています。

      元展望台の広場を外回りで楽しめるように、果樹の棚やドッグヤードなどを設計して活用をと思っています。また、昔ジンギスカンをしていた場所は森になっており、軒下にもかなりの席が取れるんですが、そこを“キッチンパティオ”として、おしゃれな屋外のセルフキッチンのように使ってもらう場にして提供していきたい。ティータイムのひとときとか家族や知り合いで屋外料理を楽しむ場として、犬もふくめて。

    どう展開される?

    うちと一緒にできる人をどういうふうに探そうかと。誰かの協力なしではできないですからね。ここで自分のもっているものを発揮してもらえたら、農地ボランティアとか、定年すぎて趣味を中心に好きな人を集めて、ここを自己実現の場として講座とかワークショップ、そういうことをやっていただくのもいいかなと思っています。

    もしくは理解をしてもらえる事業者から取組む相手を探して、森の中の“キッチンパティオ”の空間造りなど。これからは庭時間をいかに楽しむかが大事な時代に入るでしょう。庭で過ごす時間を中心にすえたエクステリアを楽しむ人はまだ日本には少ないと感じます。そういうものをここで提案して庭時間を過ごしてもらうというのもやりたい。

    セールスポイントは?

      うちで出すものは“森のめぐみ”。まずは里山農業、先ほどの養蜂、そしてすでに試験的にやっているんですがキノコ、そして果樹や野菜のジャムやドライ加工品、お菓子もある。うちの農業というのは田んぼ、畑じゃないんです。里山のめぐみをここで出す。それに加えて食べ物で言えば鹿。最高の状態のものをね、体にもいいと言われています。

     “森のめぐみ”の二番目は里山林業。間伐材のウッドチプや薪などです。その活動をする人が2メートルに切った木なら引き受けますというのをやるんですね。その使い道をここで示していく。たとえば外で使う柵とか杭とか、レゴみたいなものも。ぼくはその専門の方に牧場の柵のようなものを外に作ってほしいと頼んでいるんです。

      ウッドチップはドッグランにもかなり効果的なんです。あと庭のマルチング材として使うとかね、この用途を広げていきたい。さらに、ここに来たらたとえば薪が買える。できれば薪ストーブも設置していきたいんです。

      いろんな意味で“森のめぐみ”というものを発信する場所にしたい。百貨店型で、うちの自然志向が合うという人はうちのスペースを通じて商品を外にアピールしてもらう。庭時間のなかで草花を眺めるだけでなく、ふれて体験して、その時間を楽しむことをふくめた場づくり、ここをそんな“森のめぐみ”が体験できるショールームとして新しいライフスタイルを提案していけたらなと考えています。

     

     

     

     

     

     

 

 

 

 

 

緑の仕事人インタビュー バックナンバー

Go To Top